恋して 愛して 乱して




「……嘘だろ…」




医療クラーク 【高木真央】


ドクンドクンと脈打つ。普通のドクターはきっとこの心拍数だと危険だというだろう。

どうしてここに…
なんで…



『杉村先輩っ!』


蘇るのは無邪気に笑う彼女。俺のある事情で………別れることになってしまった、大切な人。



「…真央……」



俺は書類を鞄にしまい、足を進めた。

かつての彼女を探しに。


ドクンドクンと鼓動は打ち付け、許されぬ期待が俺を巡る。

会いたい
だけど……



それは階段を降りたすぐの廊下で。



「いた」


見つけてしまったんだ。
見たくない、光景と共に。







****

< 14 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop