恋して 愛して 乱して




「二人とも、遅刻」

宮澤さんに怒られてしまった私たち。
だけど私たちがそういう関係だってことは気づいていない。

「今度遅刻したら承知しないわよ♡」
「はい…」
「はっ、はいぃ!」

肩をぎゅうっと握られた豪太くんは悲鳴に近い声で反省を表していた。

間一髪……
免(まぬが)れたか…

安堵の息を漏らすと、宮澤さんは私にある1枚の書類を渡した。

「真央、これなんだけど…」
「……くも膜下出血…」

命に関わる危険な病気であり、頭痛で気分が悪くなったり吐き気を及ぼす。

でもこの病院では脳に関する手術を行う場合に備えての最新技術を凝らした医療器具があるって聞いたけど…

「…ここの病院は脳に関しては問題ないんですよね…?」
「そう、なんだけど…」

宮澤さんはどこかソワソワして、目を綻ばせている。

「あー!宮澤さん、あれですね!新しい先生の!」

彩ちゃんが大きな声を出した。






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