恋して 愛して 乱して




ったぁ…
何が起こったの…?

恐る恐る瞑った目を開けてみると、私と同じ制服の布生地。ゆっくりと見上げた先には逆光で暗く見える豪太くんの顔。

でもわかる。眉がハの字になって、今にも泣きそうな潤んだ瞳が。

「ご、豪太くん…?」

豪太くんは黙ったまま、私の肩に顔を埋め、きつく私を抱き締めた。それに応えるように腕を下から回す。

軟弱そうに見えて、実はしっかりしている身体。私は知ってる。すぐ小刻みに震えて、身体に熱を持ちやすいことも。

少し熱を帯びた豪太くんの息が首にかかると、愛おしくなり、私は大きく息を吸い込み豪太くんの匂いを堪能した。

「泣いてるの…?」
「…な、泣いて、ません」

顔を起こした豪太くんの瞳には光る膜がうっすらと滲んでいた。

泣いてるじゃん
ばか

「…ばか」

そう言って私は豪太くんの唇にチュッと音を立ててキスをした。豪太くんの瞳はまだ何かを欲している目をしている。

「…足りない?」

コクリと頷いた豪太くんがたまらなく愛おしくて、私は豪太くんの首に腕を絡ませてかぶりつくようにキスをした。すると豪太くんはすぐに舌を絡ませる。

「ぁん…」

甘い声が隙間から漏れると、豪太くんの腕はピクリと反応する。途端、離れた唇。

「…もっと、欲しくなって、しまいます…」

私はクスッと笑い、頬にキスをした。

「戻ろっか」

私は豪太くんと誤差で男性更衣室を出ることにして、豪太くんが先に出て数分した頃に出た。

豪太くん、どうしたのかな…

そう、思いながら。

ガチャ

「っ…」

出た先にすぐ、彼はいた。




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