恋して 愛して 乱して



さっきと、同じ…

「あ、あのっ」
「…元気そうで、よかった」

トクンと、胸が鳴った。

「せんぱ…」

わからない
わからないけど

「ふ…ぅ…」

涙が溢れてやまない。

「ど、どうした?!」

目を開き焦る先輩。かろうじてそれはボンヤリと見えた。まるで、幻のようで。

ボロボロの泣く私。嬉しさと切なさの波が一気に私を飲み込み、想いが溢れた。別にこの言葉を待っていたわけじゃない。むしろ悔しくて、でも嬉しくて、よくわからない感情。

私は座っていた椅子から立ち上がり、お辞儀をした。

「しっ、失礼しますっ…!」
「まっ…」

何か言いたげな先輩を無視して、私は逃げるように部屋を出た。そしてトイレへ駆け込む。

「ふっ…うぅ…」

どんどん溢れる熱い液と熱い想い。

先輩、先輩、先輩……

鏡に映るのは涙でメイクがぐしゃぐしゃになった酷い顔。その瞬間、豪太くんに会いたくなった。

「ご…た…くんっ」

そうだよ
私には豪太くんがいる
今の私には豪太くんさえいればいいんだ
……それ以外、何も…

私はトイレを飛び出した。






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