恋して 愛して 乱して


ギシっと音を鳴らしたベッド。ハラリと落ちた涙がシーツを濡らした。

「ご…たく…」
「なんで」

突然の力強い豪太くんの声にびくりと身を震わせた。その目は猛獣のように鋭くて、こんな豪太くんは初めて見る。

「…わかってますよ。真央さんがあの男のことが気になっていることくらい」

淡々と話す豪太くんも初めて見る。

あの男…

杉村先輩のことだってわかるのに、そう時間はかからなかった。

「だけど…」

豪太くんの唇が涙で濡れた瞳に触れる。

「…だけど、真央さんの彼氏は僕だ」

涙がみるみる溢れる。切なそうにそう言い切る豪太くんに心を痛めた。

「だから…、僕のことを考えてください…」
「ふ、うぅ…」

豪太くんは気づいてたんだ
私が先輩のことを考えていたこと
だからやけになってたこと
……忘れようとして、豪太くんでいっぱいにしようと焦ってたことも…

ごめんね、豪太くん……

愛してくれてるから、愛し返さなきゃ意味ないよね?


私は豪太くんの首に腕を絡めて抱きしめた。背中に回った豪太くんの手が器用に下着の繋ぎを外していく。

「…僕を感じて?」

私は固く目を瞑り、小さく頷いた。






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