となりの吉田くん。
彼、吉田 晃と隣の席になったのは、クラス替えをしたことがきっかけである。
出席番号に座っているこのクラスでは、本橋 優という名前が一番最後なのだ。
普通、山田とか山本とかいてもいいのに‼︎
なんて、思ったところでこの事実は変わらないから置いておこう。
初めは真面目に受けていた朝礼や授業も梅雨が始まる頃には、寝てるかふざけているかのどちらかになっていた。
まあ、大半は寝てるけど。
隣の席。てだけで、私にも被害がくることもしばしば。
だから、なんとなく吉田くんと話す機会が増えていった。
「えー、羨ましいじゃん、クラス一のイケメンと話せて‼︎」
「そうだよ、優!
吉田くんて、あんまし女の子と話さないのに、優とは話すんだからさ〜」
なんて友達に言われることも。
吉田くんは普通にしてれば、顔は整ってるし、運動神経もいい、あれで、成績もいい。
けど、どこか、他人を寄せ付けないオーラがあるせいか、あまり女の子と話してる姿を見ない。
このクラスにも、密かにファンが数名いるらしい。
そんなファンの方と変わって欲しいくらい。