私だけを

「ちょっと!あんた何してんのよ!!」

梨々香が私の手を引いて教室に入る。

今、私の顔を見て欲しくなかった。

酷くて、醜いから。


「舞香が嫌なのわかんないの?!付き合ってんでしょ?なのに、なんでっ?!」

梨々香が声を張り上げたら女の人はビクッとして逃げていった。

でも彼は強い瞳で梨々香を見ている。

「…いい、ところだったのに」

ぼそっと言う彼は最低だと思う。

「ふざけないでよ!舞香が彼女なのに…!どうしてあんたは違う女といるのよ!」
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