私だけを
きっと梨々香は私が昨日のことを思い出さないように明るい話題にしてくれているのだろう。
そんな優しさが私の心を軽くしてくれる。
朝のHRが終わって体育の為に着替えに行く。
私は運動は好きではない。が、運動が出来ないわけではない。
「よっしゃぁー!舞香もってこーい」
「梨々香!いけーっ!」
フワッとトスを上げて、梨々香にボールをもっていく。
梨々香は私の上げたボールを見事に決めてくれて、相手とは20対14きっと大丈夫だ。
バレーの授業は前からやっているので私にだってトスくらいは上げられる。