私だけを

あぁ、視界がぼやけてる。

「ー…」

誰かの叫ぶ声がかすかに聞こえるだけではっきりとは聞こえてこない。

ぼやける視界の中私の身体は誰かに支えられ宙に浮く。

「舞香ちゃん!大丈夫?!」

きちんと聞こえた声。

その声に私の耳は少しずつ聞こえてくる。

こくんと頷いて誰かを見る。

「今保健室連れて行くからね!」
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