私だけを

優しい声で声を掛けてくれたのは、

同じクラスの水谷湊人君。

私が宙に浮いた途端悲鳴が聞こえたのは多分水谷君だから。

女子に人気があるからだと思う。

お姫様抱っこという恥ずかしい状態なのだが、今はそんな事を考えている暇はない。

「ごめんね、彼氏いるのに」

「…っ」

水谷君がそう言った途端私の何かが崩れて涙が頬を伝う。

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