私だけを
〝彼氏〟…その単語を今は聞きたくなかった。
理由ははっきり分からない。
でも、今までの事が重なって私が苦しい。
「舞香ちゃんっ?!どうしたの?!」
水谷君は困って、私を近くのベンチに下ろした。
激しい動悸。
また、歪む視界。
私の世界が崩れてく。
苦しくて、しんどくて、胸が、締め付けられる。
「舞香ちゃん…?」
水谷君が私に手を伸ばしてきて、頬に近づいてきた。
男の子の手、ゴツゴツしてて、彼に重なって。
ー…なんか、怖くて。