私だけを

「…ゃ」

聞こえないほどの小さな声が出た。

「そういう風にさ、触んない方がいいと思うよ」

掴まれた手が、熱くて、妙な熱を帯びる。

「襲う」

訳がわからない展開に私の頭は思考停止。

「…着替えたいんで、出て下さい」

そう勇気を振り絞って言うと、高い身長で私を見下ろしてカーテンを閉めていった。

私は制服に着替える。


「あのさ、」

突然聞こえた低い声。

まだ、いたんだ…。

早く、出てって欲しいのに。
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