願いを星へ。
時を越えて
それから何千年の時を超え現在――。
「七夕って切ないよね……なんで好きなのに一緒にいれないのかなぁ……」
目の前でそうポツリと呟いたその言葉は静かな教室に吸い込まれていく。
読み終えた本に向かってため息をついた。
「……またうるうるし始めてるし……」
ふと勉強していた手を止め、一緒に帰ると俺を待つ彼女―沙織を見つめた。
「だって切ないんだもん……。好きで好きでしょうがないのに、たった一年に一回しか会えないんだよ?」
「そんなさ……それ想像の物語だろ?」
「物語は物語だけど……実際にあったら辛いなぁって……」
鼻をすすりながら読んでいた本を閉じて見えた本のタイトル。