前日に降った雨のせいで川は増水していて。彼に会えないのなら、私が君に会いに行くーーーー
その物語を読みながら涙ぐむ沙織。
それを見つめる彼。
一年に一度の七夕で、織姫と彦星が出会うのもこの日一度きり。
限られた時間の中で、二人は何を話すのか。
一年に一度。
たった一年に一度。
その時間でしか会えない。
目の前の温もりは、きっと当たり前だなんて思っちゃいけないーーーー
*
沙織ちゃんと彼の会話にほんのりとした優しいものを感じて、時折クスリとするシーンもあって。
愛する人の存在を傍で感じられない、愛を告げる事も出来ない。一年に一度だと言っても、条件付きで運次第。
それを思って、彼女との時間を願う姿に、この2人の幸せな毎日を願わずにはいられませんでした。
季節は外れてしまいましたが、等身大の、そして憧れる優しい素敵な物語です。
是非御一読を。