死にたがりヒーロー
『母さんや父さんが守ってくれた命なんだよ、古都ちゃんは。簡単になんて、俺が死なせない』
その言葉で、ああそうか、とそのとき初めて納得した。
私の命は、もう私のものだけではないのだ。
『ねえ、お願い』
……きみの生きる意味。
なんて難しいんだろう。
だって私は、死にたくて死にたくてたまらない。
この罪から逃れるために、今すぐにだって消えてしまいたいのに。
いつの日か、こんなにも強い強い思いが消えて、“死にたくない”と思える日がまた来るのだろうか。
いや、例えそんな日が来なくても。
『ーー古都ちゃん、これからは俺に守られて』
それでも私は、きみの生きる意味にならなくちゃいけない。
私の命は、もう私だけのものではないのだから。
『いいよ、私だけのヒーローになって』
そう、たった今、この瞬間から。
私の命は、きみの命でもあるのだから。
私がきみに守られること、それはきみの生きる意味になる。