目には目を、歯には歯を
ジャックの息づかいはだんだん激しくなってきた。

暗闇の中、見えるはずの天井は見えない。

その代わり、薄膜がかかったように見えてくる景色に、ジャックは見覚えがあった。

この林は……!

ジャックが想い出した瞬間、髪をひっぱられる感触があった。

だが、ジャックの髪は男にしては多少長めではあるが、頭皮から大分離れたところの髪の毛を鷲掴みにされている感覚を味わうほど、長くはない。

そのまま、ひきずり倒された。

膝をすりむく。

――痛い!!

ジャックはすりむいた膝の痛みに驚愕した。

夢でも見てるのかと思っていたのだが、現実なのか?
この痛みは、決して夢ではない。

だが、確かに自分の身体はベッドに横たわったままなのだ。



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