目には目を、歯には歯を
「おはようございます、朝食の時間ですよ」

フェルナンデスの声が聞こえる。

ジャックは目を開けた。

――どこも、痛くない。

ジャックは、慌てて来ていた服をまくり上げ、刺された腹部を見てみる。

傷も何もなかった。

だが、あの痛みは本物だった。

夢や、幻覚ではない。

想い出すだけで、あの激痛がよみがえってきそうだった。

――そして、あの恐怖感も。

ジャックが呆然と自分の腹を眺めているのを見て、フェルナンデスが、おもむろに口を開いた。

「ダイアナさんの事件の裁きは、受けたようですね。――やはり、あなたが犯人でしたか……」

沈痛な面もちで、フェルナンデスはそう言った。

ジャックは逆上し、フェルナンデスにつかみかかる。

「何だ……何をしたんだっっ! 俺に何をしたっ!」

逆上して怒鳴り散らすジャックに対して、フェルナンデスは、冷静沈着に答えた。

「あなたの、罪の裁きを受けたのですよ」





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