目には目を、歯には歯を
「あなたがこの国に来るまで、何も起こらなかったのに……。

立て続けに、このざまです。

まぁ、あなたはこの国の法を、裁きを知らなかったから仕方がないのかもしれませんがね。

あなたからすれば、この国の人々は、簡単に誘いに乗り、警戒心も何もなく、狙いやすかったに違い有りません。

でもそれは、この国の人々が、相手を思いやる心を持ち、人に対してひどいことをしないからです。

ひどいことをしない、されない。

そんな国の人達だったからです。

……ダイアナさんの目に映ったあなたは、どんな人物でしたか?

自分を殺そうとするあなたは、どんな人物でしたか?

その時感じた恐怖は、どんなものでしたか?

よく、味わってください」

淡々と、フェルナンデスはそう言った。

ジャックは、何も言えず、ただ黙ってその話を聞いていた。


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