目には目を、歯には歯を

「あなたがこの国を訪れる前に、犯した罪があれば、それは自然にこの国で裁かれます。

…４日目に、何も起こらなければ、あなたはそのままここを出ていけるでしょう。

でも、もしもその日にも何か起こったら……」

フェルナンデスは、そこでも口をつぐむ。

「ただし、この国で裁かれた罪は、あなたが国に戻ったところで、新たに裁かれることがありません。

全世界で、この国での裁きは全てに優先されますから」

それなら、あと何日間か我慢すれば、俺はどこの国でも裁かれることはなくなるってことか？

ジャックは、思わずほくそ笑んだ。

国に帰れば、死刑か終身刑。

それが、たった何日かですむ？

ジャックは、笑い出したくなるのをこらえながら、フェルナンデスの話を神妙に聞く振りをした。