目には目を、歯には歯を
――もう、イヤだ! 俺は、なんて醜いんだ!? 何が楽しかったというんだっ?

動けない身体で、ジャックは涙を流す。

後悔が襲ってきていた。

恐怖、というものがどういうものか、おそらくジャックは知らなかったのだ。

知らずに、その表情を浮かべる対象を見て、ただ楽しんでいた。

その恐怖が、相手にとってどんなに恐ろしいものか考えもせず。

そして、痛みがどんなに耐え難いものか。

――痛い……痛い……痛い………イタイ…………イ…タ……イィ……

キャサリンは、既にまともな思考が出来なくなっていた。

ひたすら、痛みと恐怖と闘っている。

いや、既に闘うことすら出来ず、その痛みと恐怖に身を任せている。

身体は既にズタズタに切り裂かれ、神経を切られた身体は、痛みを感じる部分も少なくなっていた。

血まみれの身体の感触が気持ち悪い。

だが、その身体を触っているジャックは、この上もなく幸せそうに、楽しそうに笑い続けているのだ。

キャサリンの目にうつるジャックは、悪魔そのものだった。






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