目には目を、歯には歯を
……つまり、あと一度、もう一人分の裁きを受けろということか……

ジャックは身震いした。

食事に行く前に、顔を洗おうとして、洗面所に向かう。

洗面所の鏡の前で、自分の顔をうつしたジャックは、思わず目を背けた。

醜いっっ!

その目にうつるジャックは、今まで自分の目に映っていた魅力的な男性の顔ではなく、キャサリンやダイアナの目に映っていた悪魔の顔だった。

後ろからフェルナンデスが声をかける。

「明後日で、ここを出られるといいのですがね……?」

ニヤリと笑いながらそういうフェルナンデスに、ジャックは背筋が凍った。

「……どういう意味だっっっ?」

「昨日言ったでしょう? 全ての罪の裁きを受けると。あなたの人生の全ての罪を。そして、裁きはここにいる限り行われます……」




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