アイ
理科
実は、全然・・・好きではないんですが・・・理科室は好きなの。
「ねー、このペン・・・超かっこいいなー」
重田、あの日愛は重田のことが嫌っているのが伝わってきた。
だから、重田とは距離をとっていたけっど、喋っていると共通の趣味があってとてもしゃべりやすくて・・・たぶん、好き。
「どこが、かっこいいの?弟にもらったの」
「えっ、お前・・・弟いるの?」
「あ・・・いや・・・その・・・」
「・・・」
なんで言っちゃったのよ、バカ。
・・・言いたくないのに・・・事故死 として解決されたなんて。
私がまだ中学2年の頃、弟は小学2年生だった。
月曜日に私が所属していた部活は休みで、弟は家と中学校が近いからといってなぜか玄関にいた。
『お姉ちゃんは、いますか?』
・・・すっごい、かわいい弟で・・・。
ヒーローものが大好きな少年、勉強はもともとできたのかな?
中学校の問題集を見せたときにスラスラと、といていた時もあったな。
『お姉ちゃん!帰ろ!』
『はいはい』
・・・幸せだった、けど・・・
目の前で見た。
月曜日ではない平日、たまたま部活が休みになって私はコンビニでアイスを買って食べ歩きしている最中だった。
あ・・・優・・・。
弟は、コンビニの近くの交差点で信号を待っていた時だった。
ドンッ
『・・・え』
・・・うそでしょ?
弟・優 は、酔っぱらいのおじさんにぶつかられて交通量がとても多いところに飛んでいった。
・・・そして、1台の車にとばされ
『う、うわ!』
次に、対向車にはねられて
『うわああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!痛いよぉおおおおおお』
・・・優は、それからたくさんの車にぶつかられはねられて、死体は見れるものじゃなかった。
でも、警察は『事故です』とその一言。
ふざけるな。
私は、この世で本当に警察が嫌いになった。
「あ、言いたくない?全然、問題ねーよー。ってか、弟、趣味いいな」
・・・そうでしょ?
「ってか、これ中学生でも選ばねーぞ。めっちゃかっけー」
そうなの?そんな、いいもの?
「中、あけるぞ?ちょっと、どんな仕組かみたい」
どうぞ?
「うわ・・・」
「な、なに」
・・・小さい小さい手紙が入っていた。
カサッ
文字を見て私は泣いた。
だって、書かれていた文字が
いまがしあわせです。
・・・ごめんね、優。
私が、あの時優を守っていればあんな優かもわからない死体にならなかったのに。
「うっ・・・」
「え?泣いてるー?・・・しゃーねーな」
「え?」
「せんせー、コイツ腹が痛すぎて泣いたんで俺、看病してもいいっすか」
・・・重田・・・
「あ、いいっ・・・きゃ」
お姫様だっこ・・・待って、私・・・重い!
「重いとか気にすんなよ。軽いから」
・・・なんなの、なんなのよ!
‘‘好き‘‘