アイ
事故現場には、実は事故以来・・・全く来ていなくて。
少し、怖かった。
『うわああああああああああああああああああ』
今でも、優の声が脳内に響くときもある。
「あ、花」
本当だ・・・、優が酔っぱらいのおじさんにぶつかれた所に花の束がいくつか置いてあった。
でも、今も置き続けているのは・・・誰?
「・・・すいません、花邪魔ですか?」
あ・・・、女の子だ。中学生くらい?
「いや、ううん・・・」
「邪魔じゃねーけど、コレお前がおいてんの?」
「あ、はいっ!週1のペースで・・・」
ってことは、彼女は事故の事を知っているのかもしれない。
「・・・古木 優 って知ってるの?」
「あ、はい」
彼女は戸惑った顔をした。
「どういう関係?」
私は、自分でも怖いと思った。
高校生にこんな質問攻めだもの・・・。
「ごめんね、私・・・その子の姉なの」
「あ・・・」
「だから、本当のことを知りたくて遅いかもしれないけど・・・」
「わかりました・・・私が話せる範囲でよければお話しましょう」
・・・なんか・・・。
「おー、ありがとなっ!・・・んじゃあ、どっかで・・・」
「ごめんなさい、今日は無理です。今日は、これからピアノです。えっと、今週の日曜日にでもどうでしょうか。」
・・・堅苦しいな。
「それで、お願いしてもいいかな?」
「はい、では・・・あの斜め向かいのカフェで昼1時に」
「うん」
「俺も、いるからねー」