アイ
こいつが・・・優を殺した・・・張本人。
だめだ。理性を保てないよ。
「小学校の頃・・・シスコンの子いた?」
「ばかっ!おま・・・」
「あー、いましたねー。死んだっす」
・・・あんたのせいでしょ・・・。
私は、あんたを一生恨んでやる。
お前なんか・・・お前なんか・・・死ねばいい。
「・・・へー、なんで・・・?」
「これ以上は、やめろっ・・・田村、ワリーな」
「え?あーはーい」
愛の弟は店員に何か注文してから、店を出て行った。
悔しい・・・悔しい・・・。
愛・・・私は、どうすればいいの?
あなたに言ってもいいの?
「馬鹿だろ、お前」
「ごめん・・・理性が保てなくて・・・」
「俺がいてよかったな」
・・・うん。声に、ならなくて私はうなずいた。
もう・・・やだ。
いじめられてて、いじめの張本人と出会うなんて。
「まぁ、一回俺らは落ち着こう、いきなり知りすぎだ。」
「うん・・・賛成。」
目から出る水は、止まらなかった・・・彼女が来るまでは。
「あっれ、美織?・・・泣いてない?」
・・・あ、
「愛?」
「田村・・・」
「やっほーぃ。ここ、愛のバイト先でーす」
愛の・・・?
「今、健二と喋ってた?」
「あ・・・うん。」
「あいつ、慣れ慣れしいでしょ?」
「うん・・・そ、そんなこと・・・ないよ?」
私は、まだ涙が止まらなかった。
それを重田が後ろから背中をさすってくれていた。
「美織、愛・・・美織のこと大好きだよ。だから、なんでも言って」
・・・なんでも?
重田も同じ表情をしていた。
「本当に・・・いいの?」
「うんっ!!!!」
・・・それじゃあ・・・。