アイ
「おはよー!!」
次の日、私は、元気にクラスに入って言ってみた。
「おはよー」
「おはよーござーいまーす」
色々な人が挨拶を返してくれた。
・・・よかった、うまくやってけそう・・・。
ほっ・・・。
「ごめん、通してもらえる?」
「えっ」
しまった!ドアの所に立ち止まっていたままの私に彼女は言った。
あ・・・れ?
この子・・・すっごい美少女。
目もパッチリ二重で・・・髪の毛もショートだけど手入れもされている。
香水までいかないほんわかなやわらかい優しい匂い。
制服は、真面目に着こなしているのにすごくかわいい。
かわいい・・・。
「あの・・・どいてもらえる・・・かな?」
「あ、ごめんなさい!」
また・・・。
ドアの所に立ち止まってしまっていた。
恥ずかしい・・・。
「ふふ、私 田村 愛 っていうの。今日から1年、よろしくねっ」
「あ・・・!うんっ!よろしくっ!・・・あ、私の名前は・・・」
「あ、知ってるよ!古木 美織 ちゃんでしょ?私、名前とか覚えたりするの大好きなの」
・・・へぇ~、ちょっと変わってるけど・・・。
「すごいねっ!」
「え?全然っ!・・・ありがと」
悪い子・・・じゃなさそうだね。
私は、自分の席についてかばんから筆箱を出した。
「あ、コレ!可愛い!」
「え?」
「このピンク可愛いよね!あたしもだーいすきっ!」
「だよねっ!私もっ」
元気系の女の子。
髪の毛はショート。身長は、低め、でも、存在感はすごい感じられる。
「あ、あたし 江田 桜!よろしくねっ~」
「桜・・・、可愛い名前~」
「ははははっ!そう?ありがと」
「どこが?」
・・・え?
「桜って、春しかきれいじゃないじゃん。夏も秋も冬もそりゃあ緑になったり紅葉になったりするけど、どこが綺麗なの?」
・・・愛ちゃん?
「・・・はぁ~・・・。かわいそうな名前だね。」
「はぁっ!?ありえないんだけどっ」
入学早々、愛ちゃんと桜ちゃんが喧嘩をしてしまう。
こんなんじゃ、クラスもまとまらないよっ・・・。
迷惑かけちゃう。
どうすれば・・・どうすればいいの・・・。
「桜~、駄目だよ。入学早々に喧嘩なんて」
「あ・・・柚・・・。ごめん」
「桜、あっちいこー」
女の子、身長が少し小さく・・・桜ちゃんと同じくらい。
ほんわかしていて、すごく癒される。
癖なのか、口角が少し上がっていた。
・・・愛ちゃんって、本当に良い子なのかな?