アイ
家に帰ってからもずっと、流されているこのニュース。
『つまり、殺人だとすると正直、的が絞りにくいということですか?』
『えぇ、彼は人の恨みを買うような人間だったそうです。』
・・・可哀想。
さんざん、いやな事言われて。
でも、これがあなたの犯した罪でしょ?
「あ、美織!これ、あなたの学校でしょ?姉がいるからって来てるそうじゃない!・・・大丈夫?」
「うん!私まで被害は及ばないよ。それより、今日のご飯、何?」
そう、私は関係ないのだから。
「あ・・・今日は、美織の好きなグラタンだよ~10分かかるから喋らない?」
珍しく母が私と会話をしたがる。
「えー、ごめん。じゃあ、英語でもしてる。」
「あ、そう?」
母の話は長い。
ゆっくり、喋り眠くなってしまうから、動きたくなくなる。
「美織ーできたよー!」
「はー・・・ん?」
携帯が点滅していたのに気が付く。
何?
重田:俺らってもしかしてヤバイ所にいるよな。
重田:俺らが事情聴取されたら、お前は言う?田村が犯人だって。
・・・なんで、こんな証拠に残るようにするの・・・。
でも、重田からくると鼓動が跳ねる。
どんな内容でも。
ミオ:言うわけないじゃん。だって、それを言ってくと悲しいけど私が犯人になる。
あ・・・、そうだ。
私が・・・・本当の・・・・犯人だ。
・・・忘れてた、殺したのは愛ちゃんでも私は関係ないんじゃない。
それを命令したのは私だ。
愛ちゃんがもしバレた時、愛ちゃんの人生が狂う。
そしたら人間は誰でも自分と同じように人を引きずり込む。
その引きずり込まれる人間こそが、私なんだ。