アイ
本当に重田と付き合ってから私の気持ちは驚くほどに落ち着いた。
・・・愛ちゃんが、重田を嫌っているのは私も重田自身も承知しているから、付き合っていることは二人の秘密になった。
付き合う理由もきっかけもどんな形でもいいって思える。
「最近、重田と仲良くないー?田村ちゃん」
「え?」
・・・蒼井ちゃん?
「いや、『え?』っていう反応されるとちょっと・・・アレかなって思うんだけど」
普段、全然喋らない人だけど・・・。
喋りかけてくるときは、少し棘があると感じる。
「何を言いたいかわからない・・・けど、多分蒼井ちゃんが思うようなことはないよ」
・・・付き合ってるってことが分かるのかな。
「ふーん、いや。別に反対とかそういうのしてるんじゃなくてさ!人間ってどうしても人の弱味持ちたがるでしょ?ソレ」
「・・・」
私の弱味を握って何になるの?
私が疑問に思っているとき、愛ちゃんが私の隣に立った。
「・・・何を言いたいの?あーおーいちゃん♡」
「愛ちゃん!」
愛ちゃんには、恐怖心があるものの現時点で殺したことがバレていない、と考えると少し尊敬できる部分もあり、私は愛ちゃんを本当の友達だと・・・思っている。
「あー、田村がきたらマジつまんない。」
「はぁ?」
愛ちゃんはニコッとしたまま、言い返す。
「あんたが来たら、つまんないってこと。」
「意味不明」
「意味?意味なんかないよ。」
・・・蒼井ちゃん?
「ただ、つまんないなーって思うだけだよ!」
「・・・ウチも一理あるかな。愛ちゃんって少し怖いし・・・美織と喋ってるだけで絶対中に入ってくるじゃん。」
「・・・桜ちゃん?」
「桜の意見にもう一票」
「ゆ、柚ちゃん?」
「あぁ~・・・、みんな我慢の限界だった?実は、うちら・・・女子でさアンタをハブこうとしてたんだよね」
・・・・え?