アイ
7月

愛ちゃんイジメは、7月の頭から行われた。
主に、無視。

愛ちゃんは強くて無視されていても泣き顔や怒りの顔も全く見せなかった。

先生にバレるかもしれない と考えた蒼井ちゃんたちは、私には『無視をしろ』ということを言わなかった。


「美織、屋上で食べよ!」

無理して笑っているのか、正直わからなかった。

そもそも愛ちゃんの笑顔はあまり見たことがない。
『キャハハハハ・・・』となり‘‘つぼにはまる‘‘とかそんなことが一切ない。

「うん・・・」

「俺もいい?」

愛ちゃんは、重田に少し優しくなった。

「いいよ!うん!」

いじめられているかな?





「愛ちゃん・・・大丈夫?みんな、まともに喋らないよね」

「ん?いやいや・・・元々、喋ってないし無視してるつもりかもしれないけど全然怖くない」

あ・・・、確かに。

「ん、まぁ・・・そうだな」

「重田に話したいことがあるの。ココでいいから聞いて。美織は、ちょっと黙っててね」

「え?・・・うん」










「愛・・・気づいたの。重田が好きって」










・・・・え?

「今まで、ひどい態度してきたのはわかってるんだ。けど、愛はそれ以上に重田のこと意識してて・・・」

・・・え?

「愛と・・・付き合って!」

愛ちゃんは、確かに乙女の表情だ。

「いや・・・」

・・・言うの?まさか・・・

「俺は・・・今、好きなやつと付き合ってるから・・・」

「だぁれ?」

・・・ヤバイ。ヤバイよ!

「・・・約束を無視します。俺は、古木と付き合ってる」

あ、言っちゃんった。

「ごめんね、愛ちゃん・・・黙ってて」





「ははっ、やっぱり?」



「・・・え?」

「わかってたしー!お幸せに、この事を聞くために今日まで頑張っていじめられてきたんだから!はぁ~・・・。やっぱり、美織さ物好きだねー」

「・・・あ、うん?」

いじめられてきたんだから?

                        ・ ・
「ふー・・・でも、美織は愛のものだよ♪最後の2人の食事を楽しんでね~」
< 27 / 62 >

この作品をシェア

pagetop