アイ

愛ちゃんが、早めの帰宅。

私と桜ちゃんと柚ちゃんはゆっくり、着替えていた。

「いきなり来るとか、怖くない?ってか、一人。」

桜ちゃんは、ずっと愛ちゃんのことを話している。
柚ちゃんは、「そうだね!」とか「うんうん」とか、あいずちを打つ。

私は・・・あの言葉が気になる。

『また会えたらいいね』

普通に考えれば、``また会える``、``また会いたい``という意味になる。
けど、愛ちゃんは絶対普通じゃない。

死んだら・・・人は会えない・・・二度と。

まさか・・・繰り返す気?
何人を殺すつもり・・・?

「美織ー!どしたーー」

気づけば、私は桜ちゃんに呼ばれてハッとする。

「ご、ごめん!」

「うん、いいけどさ。上、すっぽんぽんだよ」

「わ!あああああああああ、恥ずかしい!」

・・・考え事は、友達の前でやっちゃいけないよね。
せっかく、楽しんだもん。

・・・うん、ダメだよ。
想像したら・・・愛ちゃんが人を殺すとこ・・・。




着替えが終わると、近くのカフェに入った私たち。
最近できたはやりの店で、以前ここでやっていたタピオカの店がなくなったので入った店だ。デザートというか・・・主食というべきか・・・。
変わったものがおいてある食べ物屋さん。

「今日、美織を呼んだのにはわけがあるんだよね、柚」

「うん!えっと・・・美織、重田君と付き合ってたじゃん?・・・けど、死んだって聞いてさ・・・美織、絶対暗くなってるって思ってさ!・・・一人じゃないからね!美織」

あ・・・

「美織は、柚もいるし、桜もいるんだよ!」

・・・あ・・・
やば、泣きそう。

「だから、一人だーとか思っちゃダメだからね!重田君のことは、美織としては本当にショックだったと思う。けど、これで終わりじゃないから!」

・・・『これで終わりじゃないから』

「安心して」

『安心して』

・・・なんだろう。
すごく、引っかかる言葉・・・。

愛ちゃんが・・・使いそうな・・・言葉だな・・・。
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