アイ

授業が終わり、携帯のニュースを見る。

ブブブ・・・

バイブ音と共に、携帯が振動する。
ラインだ。

・・・桜ちゃん?

桜:今、起きたよ(≧◇≦)元気ー?話したいことあるから、病院来てくれる?美織の時間に合わせるから来るとき連絡してね~

・・・起きたんだ~・・・
良かった・・・。

話したいこと・・・か。
どう考えても愛ちゃんだろうな・・・。

けど、今、愛ちゃんをどこかへやってしまったら私がいやだ。一人は怖い。今もクラス見mんなの視線が痛い。けど、愛ちゃんが、そばで携帯をいじっているから少しは楽。

この「楽」という感情がなくなるとなると、私としてはすごくいやだ。

・・・自分がかわいいから。

顔とか、そういうのじゃなくて。
みんな言われたことがあるあろう『自分の身は自分で守る』。
けど、今の私にそんなことはできない。
私の身は私の手の上で転がっている愛ちゃんが守ってくれている。

・・・と、考えると桜ちゃんと愛ちゃんのことを話す前にやるべきことがある。

証拠消し。

そうすれば、桜ちゃんは私に頼れなくなる。
私としてのメリットは、きっと次に殺されるのは私を傷つけた、蒼井ちゃんや楓ちゃん、千佳ちゃんになる。
犠牲者が出るのは悲しいけれど、そんなこと言っている場合じゃない。

けど、殺されたときに・・・真っ先に疑われるのは私。
そうだ、愛ちゃんのラインをいじってデータを消せばいい。
・・・ラインじゃなくて、普通に喋れば証拠は残らない!

私は、愛ちゃんとのトークを・・・


消した。


自分を守るために。


桜ちゃんにはこう返信を打つ。

美織:明日にでも、行く!会いたいなー(/ω\)放課後、学校が終わったら電話するね。

重田、ごめんね。
でも、これしか私を守る方法がないの。

・・・許してくれない?
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