三日月姫
今、なんて…?
私が…三日月姫…
「冗談ですよね…?」
父さんに問いかけても、冗談だよ…と返してくれない。
お母さんは…とても辛そうな顔をして私の頭をなでた。
「美月……ごめんなさい…」
「お母さん…?」
どうして、謝るの…?
「教えて。三日月姫って一体?」
「莫大な力を持った、魔法使いのようなものだ。さっき言った国では、王族にまれに生まれるんだ。大きな力を持った女の子がね。」
「…私は王族じゃない…よ?」
「…父さんと母さんは…この世界の人じゃないんだよ。美月…」
え…?この世界の人じゃない?
じゃあ……。
「お母さんたちはね、アンリデットっていう世界で生まれ育ったの。地球じゃない…別の世界よ。」
「アン、リデット…?」