三日月姫
三日月姫の力
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄…
「美月様!起きてくださいぃ〜!」
「んぐっ!」
誰かが私のお腹の上に乗った。
く、苦しい…
「ミルちゃ…死ぬって…!」
「ほぇ?あ、あぁ!すみません!」
はぁはぁ…ゴホッゴホッ
死ぬかと思った…
「おはよう、ミルちゃん。」
「おはようございますぅ〜美月様!」
昨日はあのあとサンドウィッチを食べさせてもらってミルちゃんとお喋りをしたあと寝た。
今日は…何をするんだっけなぁ。
あ、そうだ。レイアに魔法を教えてもらうんだ!
「美月様、こちらに着替えてください。」
と言って渡されたものは、グレーのジーパンに緩めのロゴが入ったTシャツに赤いマントだった。
「赤…?」
「はいっ!この国では行う行動によってマントの色を変えています。そうすれば、マントをつけている人間が何をするか、わかりやすくなるからです。」
ほうほう…
たしかにそうかも。
「どんな色があるの?」
「白、赤、青、グレーになります〜」
「白は、王族やお偉いさんに会うときにつける国の象徴の色です!」
あ!
だから昨日王様に挨拶しに行ったときは白色だったんだ…
「赤は魔法練習や練習戦闘など、魔法を実戦で戦う時以外に使う色になります!」
私はこれから魔法の練習をするから…
だから赤ってわけね。なるほど。
「そして、青。こちらは普段つけるマントです。お城に仕えてるものだけが使えます。」
「私は着ていいの…?」
「もちろんです!三日月姫様なのですから〜!」
「最後にグレーは…三日月姫様と魔術師様だけが使える色なんです。」
「…私とレイアだけ…?」
「はい。代々魔獣との戦闘の時に使われてきたものです。」
魔獣との……
お母さんとお父さんも使ったのかな…?
「…このマントには魔術が込められていて、着ている人の魔力を上げたり、防御にもなるんです。」
「すごい…でも、破れたりしなかったの…?今までの戦いで…」
「…」
ミルちゃん…?
「何をしても破れないんです。着ている人が亡くなっても…このマントだけは綺麗に残っているんです…」
…!?
それって…どういうこと…?
「僕は、グレーのマントには、呪いがかかっているとしか思えませんね。」