三日月姫


呪い…


「そう、なんだ…」


ミルちゃんのあまりにも真剣な表情に私は言葉が出てこなかった。



私の顔を見たミルちゃんは焦ったように


「ぼ、僕の意見ですから!
さ、さぁ!早く着替えてください!」



「…うん」


気を使わせちゃった…



その後着替えた私は、ミルちゃんに髪をポニーテールにしてもらい、邪魔な前髪はピンで上にあげてもらった。


最後に、紺色の生地にシルバーの星柄のシュシュをつけてもらった。



「かわいい!ありがとう!」


「いえ、練習がんばってくださいねぇ!」


「うん!」



そしてしばらくお喋りをしていると


トントントン


ノックが三回された。



『失礼します。』



この声は…



「リベル!」



リベルだった。

レイアのところに連れて行ってくれるのかな?



『準備はできていますね、では行きますよ。』



楽しみなような…緊張するような…?




「いってらっしゃいです!」


「うんっ!また後でね、ミルちゃん!」



部屋を後にし、長い廊下を歩く。


「どこに行くの?リベル。」


『戦闘場ですよ。あそこには結界が張られているのでどれだけ強い魔法を使っても大丈夫なんです。』


結界なんてあるんだ…

本当に本の中みたいだなぁ。



『ですが…』


「ですが…?」


え、なにかあるの?


『昨日、レイア様に会われてから言うと言って、忘れていたのですが…』


確か、そんなこと言うって言ってたような…?


「うん?」


『美月様の魔力は通常の三日月姫の魔力より格段に多いんです。異常なほどに。』


え、っと…?


「簡単に説明して…くれますか?」


『つまり、あなたは歴代の三日月姫の中で一番強いってことですよ。』


!?

そ、そんなわけないよ!









< 36 / 45 >

この作品をシェア

pagetop