三日月姫
「美月、《エターナルブレイド》と唱えてみろ。俺に当てるんだ。」
エターナルブレイド…?
「レイアに当てるなんて!絶対嫌!」
さっき怪我をさせちゃったのに…かかしを二つに切っちゃうくらいの威力のものを当てるなんて…
考えるだけで震えてくる…
「俺を誰だと思ってる。大丈夫だ。」
たしかにレイアは強い…と思う。
でも、嫌!
「わかった、結界を張る。それならいいだろう?」
レイアがなぜ自分に当てろって言ってるかは分からないけど、きっと確かめたいことがあるんだ。
「…一番強力な結界ね…」
そう言うとレイアは軽く笑い
「あぁ。」
さっきと同じ方法でレイアは自分に薄い膜のようなものをかけた。
きっとこれが結界なんだ。
深呼吸をする…
イヤリング…これからは…主さんとでも呼ぼうかな。
主さん、エターナルブレイド…使えますか?
《はい》
また声が聞こえた。安心できる…女の人の声。
目を閉じて
静かに唱える
「エターナルブレイド」
ゴオオオと竜巻のような音が聞こえた。
どこから……?
目を開けた。
「ま、さか…」
私の前にいたはずのレイアはいない。
代わりに…この大きな戦闘場の天井に届くくらいの大きな竜巻が目の前でグルグルと回っていた。
飛ばされるのが普通なのに…
私にはなんの被害もない。