三日月姫


「レイアッ!レイア!」


大きな竜巻の音にかき消される私の声はどこかにいるレイアに届いているのか。


レイアなら大丈夫だよね。

きっと…ううん、絶対大丈夫。


「主さん」


名前を呼んだだけだった。返事もない。
でも、私の意志が伝わったようで、竜巻の威力はどんどん弱くなっている。


そして、数秒であれほど大きかった竜巻は消え去った。


「ありがとう…」


はい、という声が聞こえた気がした。



レイア…レイア…

どこ…?


私が辺をキョロキョロしていると


「ここにいる。」


レイアの声だ。


だけど、どこにもいない…


「ど、どこっ?」


「上」


上を向くと建物の少しの出っ張りにレイアが立っていた。


あんな高いところに!?いつのまに!



「美月もできるぞ?」


わ、私高いところダメなんだよね…

しかもあんな少しのでっぱり…


「や、やめとく…」


「そうか。」


するとレイアはそのままでっぱりから落ちた。


落ちた!?


スタッという音がして綺麗に着地したレイア。


す、すごい…あんな軽々と…







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