三日月姫

慶次side




「星良」


俺は、リビングにあるソファーに蹲っている星良…美月の母親に声をかけた。




「慶次……美月は…?」


顔をあげた星良の顔はとても辛そうで…

とても見ていられなかった。


「外に出させた。三時までもどってこないよ。」


「ありがとう……美月の話…聞いた?」


「あぁ、聞いたよ。…なんで、今になって…」


「どうすれば…どうすればいいのっ!?
私、あの子だけは…守りたいのに…っ!
私みたいな目には、合わせたくないのにっ…!!」


泣きながら叫ぶ星良を俺は抱きしめた。

…星良の苦しみを知っているから。


「落ち着け。大丈夫だよ、星良。」 


「けい、じっ……!」


「やっぱり俺達は、あの約束から逃げられない。」



星良には辛いことだろうけど

逃げられないんだ。


 

三日月姫の……約束からは……






< 6 / 45 >

この作品をシェア

pagetop