妖の王子さま
手には、持ち手の長い羽団扇を持ち堂々と白玖の前に立つ。
「毎度毎度、懲りずによく来るね」
白玖は、面倒くさそうにそう言葉を返す。
向かい合った双方からは、ピリピリとした空気が流れる。
いずなの周りには天狗の家来たちが今か今かと武器を片手に空を覆い尽くす。
「今日こそは、貴様を闇に葬り去ってやる!」
「・・・勝手にすれば」
白玖は剣を強く握り直す。
そして、いずなは羽団扇を一振りすると羽の部分が一つにまとまりまるで槍のような形の武器に変わる。
いずなが羽団扇を振り上げ白玖に向け振り下ろした。
白玖はそれを軽い身のこなしでよける。
「空を飛べん貴様に、俺様を捕らえることはできん!」
白玖の反撃を空を飛びかわす。
辺りでは、天狗と狐の戦いも始まっていた。