妖の王子さま



「白玖・・・」



いつ見ても、胸が痛い。
傷だらけの身体。
苦しげな表情。

流れる赤い血。




胸が騒ぐ。
赤は、嫌いだ。



泣き出しそうな心を蒼子は抑え白玖の身体に触れる。




ドクン。




白玖の身体から流れ込んでくる痛み。
蒼子の身体を切り裂き赤い血を流す。



赤。



紅。





あか。






―お父さん・・・お母さん・・・!






ドクン。




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