妖の王子さま
「汚れた匂いがついた。なんでこんな苛立つ?蒼子から、あれの匂いがする」
「え・・・?」
「着がえよう。着物、用意するから」
表情を変えないその顔で蒼子を押し倒すと、腰ひもを乱雑に外していく。
蒼子は慌てて抵抗するが、白玖は容易く解いていく。
「や、やだ・・・、白玖、やめて・・・っ」
「うるさい。黙って」
「いやっ、・・・んっ」
黙らせるように唇を唇で塞ぐ。
蒼子は白玖の肩を両手で押し返そうとするがビクともしない。
その間にも、蒼子の着物はするすると脱がされていった。
そして、新しい着物を手繰り寄せ、蒼子の腕に通していく。
いとも簡単に、着替えさせてしまった。
蒼子は、ポロポロと涙を流す。
それを見た白玖は怪訝そうに眉を顰めた。
「なんで、泣く?」
その意味が解らず、不機嫌そうに眉を顰めるのだった。
蒼子はただ涙を流し白玖の腕が外されると身を隠すように体を縮こまらせた。