妖の王子さま
「まあ良い。いずれ話せ」
それ以上追及することをやめ、いずなは話しをやめた。
まじまじと蒼子を見る。
品定めのように頭からつま先までじっと見つめた。
蒼子はその視線から逃れるよう顔を伏せる。
「よし、決めた」
おかしそうに声を上げる。
「お前を俺の嫁にする」
楽しそうな声色でそう言い放ったのだ。
「え?」
蒼子は、顔をあげいずなを見た。
いったい、なにを言い出したのだと怪訝そうな表情で。