妖の王子さま



「一つ、忠告してやる。あの狐は信用するな。あれは、ただの操り人形」

「操り人形・・・?」

「そうだ。お前がどれほど、思い入れを持ったとして無駄なのだ」




どういう意味なのだろうと思った。
以前、牛鬼も似たようなことを言っていたような・・・と思いを巡らせる。





「わかったら、お前はここにいるといい。お前は俺の嫁だからな!」

「え、あ、そんな勝手に」

「悪いようにはせん。今日はもう下がれ。傷に障るぞ」




そういうと、いずなは着ていた着物を脱ぎ始めた。




「なんだ、俺の着替えが見たいか?」

「え!?あ、いや!し、失礼します」




蒼子は慌てて部屋を飛び出した。






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