妖の王子さま
「私、白玖の事を護りたい」
蒼子の中に新たに生まれた決意。
ただ、傷を引き受けるだけではない。
心の傷まで失くしてあげたい。
強く、そう思った。
「こんな事、もうやめさせなきゃ・・・」
こんな風に、傷つけられていいはずがない。
白玖だって生きているのだ。
傷つけば痛い。
感情だって、本来ならあるはずなのに。
失くすしかなかった。
そうするしか、生きる術がなかった。
でも、白玖にも感情が芽生えてきている。
その感情を、再び失うようなことがあってはいけないんだ。
蒼子の中に強い決意が生まれた。