妖の王子さま
「蒼子、行ってくるね」
「白玖」
「・・・無茶な戦い方はしない。怪我はなるべくしないように気を付ける。それでいいんだよね?」
「・・・うん!」
白玖の言葉にホッとした蒼子は大きく頷いた。
白玖は、そんな蒼子に頷いて見せ部屋を出た。
「多々良、お願い、私も連れて行って」
「蒼子さん・・・。ですが」
「前みたいに、ちゃんと隠れておくから」
蒼子は心配だった。
屋敷で一人待っているなんてできなかった。
「蒼子さまなら、俺が命に代えてでも護る!」
そう名乗り出たのは牛鬼だった。
「牛鬼・・・」
「おれは、蒼子さまを護るためにいるんだからな!」
牛鬼はそう言って笑った。