妖の王子さま
「白玖さまぁ、どうして最近私と遊んでくださらないの?」
次の日の昼下がり、久しぶりに屋敷に訪れた女狐、天が白玖にしなだれかかる。
蒼子は志多良と庭に出て遊んでおり、部屋には白玖と天しかいなかった。
一人でいるところ、天が入ってきたのだ。
天にとってはいつものことだった。
前回手酷く追い返されたことで、少し警戒していたが、美しい白玖に抱かれた記憶が、その足を白玖の元へと運ばせた。
蒼子の前では無邪気な子どものような白玖だが、普段の白玖は繊細な美を兼ね備えた美しく妖艶な九尾狐だった。
その姿は美しく、見るものすべてを魅了する。
「遊んでくださいまし」
するすると手を着物の合せに滑り込ませ、色っぽく瞳を細める。
白玖はそれまでのように、されるがままになっていた。
気をよくした天は、腰ひもをするすると解き肌蹴させる。
そして、自分の着物の帯にも手をかけた。
畳の上に白玖を倒し、その上に馬乗りになると着物の裾から足をさらけ出した。
唇に弧を描き、天は白玖の唇に口づけ様と髪を手で抑えながら身体を倒していった。