妖の王子さま
学校の王子さま!?
「見て見て、あれが狐塚くんよ!」
「ほんと、かっこいいっていうか、すっごい綺麗!」
「それでその隣の子となんか仲いいみたい」
「ええー、すっごい普通の子じゃない?似合わない!どんな関係!?」
白玖はすっかりと有名人になっていた。
他のクラスからも女の子が集まり注目の的。
それと同時に、初日に抱きつかれたり話したりしたことで蒼子の事も有名になっていた。
見世物になった気分で蒼子は居心地が悪い。
白玖も白玖で、蒼子の側にいられることはよかったが、煩わしさが増していた。
蒼子には、女子たちの嫉妬の視線が突き刺さっていた。
「蒼子!ちょっと、どういうこと?どこであんな美形と知り合ったわけ?」
「どこでって・・・」
ゆかりにまで問い詰められた蒼子は言葉に詰まる。
白玖が人間ではなく妖であることなんて言えるはずもなく、うまくごまかすことができなかった。
「やけに仲良くない?後、隣のクラスの彼!蒼子の事蒼子さまとか呼んでる、あの彼も!いったいなんなの?」
「ああ・・・。うん。ああいう人なのよ」
そう答えるしかなかった。