妖の王子さま
ようこそ我が家へ
「わ、その子たち、なに?」
次の日、蒼子を迎えに行くと蒼子は目を輝かせ牛鬼と白玖の肩に乗るかまいたちを見る。
「かまいたちっていう妖」
「かまいたち。聞いたことあるかも。それが、どうしたの?」
「ちょっと、悪戯してたから。連れて帰ろうと思って」
そう言う白玖に、頷きながらまじまじと二匹のかまいたちを見る。
刃の手こそ恐ろしいが、その表情や姿はとても愛らしいものだった。
「可愛い」
「キュー」
「蒼子さまは、優しい人間だから、安心して」
牛鬼が、かまいたちに蒼子を紹介する。
かまいたちは嬉しそうにもう一度鳴いた。
蒼子の人柄はその発するオーラから感じ取ったのか、かまいたちは警戒する様子もなく蒼子を好意的に見ていた。
「もう行くの?学校に、挨拶しなくても大丈夫?」
蒼子は一応しばらく休むという連絡を今回はいれた。
しばらくがずっとになるかも、ということは黙っていたが。
白玖と牛鬼は顔を合わせる。