妖の王子さま



「まぁ、そう言う意味ではある意味戦だな」

「じゃあ、白玖もするんじゃ」

「まぁ、普通はね。でも、白玖はしないでしょ」



確かに、と納得してしまう蒼子だった。
そう簡単に人も妖も変わらない。

やる気を見せ、やるべきことは今まで以上に頑張っている白玖だが、気を抜くところは今までのように思い切り気を抜く。
そんな白玖を思い浮かべ、蒼子は納得したのだった。


きっと、お祭りは白玖にとっては気を抜くところに違いない。




「蒼子ーただいまー」



気の抜けた白玖が戻ってくる。
顔をあげ、白玖を見上げた蒼子は、すぐにでも聞いてみようと口を開いた。



「白玖、お祭りって、白玖は何かするの?」

「んー?お祭り?・・・ああ、そういえばもうすぐだねぇ」

「牛鬼に、聞いたんだけど。多々良たちも催し参加するって」

「ああ、うん。そうだね。たぶん、するんじゃない?」




予想通りの反応に、蒼子は牛鬼と顔を合わせて苦笑する。
あまり、興味はない様子だ。




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