妖の王子さま

好きの気持ちの確かめ方



蒼子の怪我が治ったのはそれから2日後の事だった。
いつもより治りの遅いケガに、白玖たちは心配していたが、無事傷も塞がりすっかり起き上れるようになった。




「よかった、蒼子」

「心配かけてごめんね」




向かい合う白玖と蒼子。
白玖は、蒼子にぐグッと近づく。




「蒼子。おれ、蒼子といると心臓の鼓動が早くなって、変な感じになるんだ。胸がいっぱいになって温かくなって、今まで感じたことない気分になる」

「・・・・う、ん」

「それで、蒼子に触れたいって思って。側にいたいって思って・・・」




突然の告白に、蒼子は目を丸くする。
どう反応していいかわからず戸惑いに視線を泳がせた。




「おれ、蒼子の事好きってこと?これが、好きってことなの?」

「えっ!?」



思わぬ言葉に声が裏返る。
顔に熱が集まり、赤く染め上げる。




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