妖の王子さま
蒼子は少しの間考え込む。
白玖を見上げると、白玖は真剣な眼差しで。
蒼子は意を決して顔をあげ息を吸い込んだ。
「白玖、私は白玖の事が好きだよ」
顔を真っ赤にさせ、蒼子は言い切った。
「白玖と、一緒にいたいし。白玖には、笑っててほしいって思う。白玖に傷ついてほしくない。・・・白玖に、触れたいって思う」
「蒼子」
「白玖に、蒼子って呼ばれると嬉しくなるの。白玖の側にいると胸がドキドキしてポカポカ暖かくなる」
蒼子がそっと手を伸ばし、白玖の手に触れた。
「白玖の事が、大好き」
そう言ってにっこり笑う。
白玖が、蒼子の手を引きその体を包み込む。
「白玖・・・っ」
「蒼子・・・っ。おれも、おれも蒼子が好き」
ギュウッと強く抱きしめる。