妖の王子さま
白玖は、そっと蒼子の身体を押し倒した。
「っ」
「蒼子に、もっと触れたい」
妖艶な瞳が蒼子を射抜く。
息が詰まりそうなほどの胸の高鳴り。
白玖の唇が首筋におりてくる。
「蒼子・・・」
切なげに呼ばれる名前に身体を震わせる。
白玖の手が、蒼子の着物の帯にかかる。
「白玖・・・」
蒼子の声に、白玖がほほ笑む。
白玖の微笑みに、蒼子は目を見張ると目じりに涙を浮かべ白玖の首に抱きついた。
蒼子の温もりを感じ、白玖は今まで感じたことがない満たされた心を感じた。